はち切れんばかりに膨らんだ蕾は、ここ数日のうららかな日差しを浴びて、堰を切ったような開花をし始めました。
我が境内の桜(ソメイヨシノ)です。
あっという間に七分咲き程度まで進み、毎年のことながら壮観です。
贔屓目なのかも知れませんが、枝ぶりも佇まいも最高の老木だと思います。
お彼岸前後で急に暖かくなりましたから、変化が速いですね。
私達人間だけでなく、植物もしっかり季節を捉えているのだなと、実感させられます。
さぁ、今年も愛でましょうか。合掌。
お彼岸を迎えて
今日は彼岸の入りですね。
お彼岸は、春分および秋分の日をお中日として、全後3日間ずつをあわせた計7日間をいいます。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉もあるように、季節の変わり目にあたり、いのちの尊さや自然の恵みに感謝しながらご先祖様を供養する行事として、古くから行われてきました。
この期間中、全国の寺院では彼岸の法要が営まれ、また各家庭では「だんご」「おはぎ」「ぼたもち」などを仏壇に供え、そろってお墓参りに出かける光景が見られます。
お彼岸は、私たちにとって大変に馴染みの深い、欠かすことのできない年中行事と言えるでしょう。
この「彼岸」という言葉は、私たちが生きているこちらの世界(此岸・しがん)の対義として、貪りや囚われの無い「悟りの世界」を表しています。
苦惑にまみれたこの世がこちら側ならば、そこから抜け出た安らぎの園はあちら側「彼の岸・彼岸」ということになるのですね。
それでも私達は彼岸を、我が身我が心と共に、現代に生きながらにして求める他ありません。
だからこそ普段の行いを戒め、誠実になることで、少しでも迷いを脱して生きていこうと願い行動する、そのための修行期間が「お彼岸」なのです。
自己を見つめ直しましょう。
今日を生きられる有難さを、家族や友人とまた会える喜びを、その合わせた両手に込めて、お参りに出かけませんか。