初秋の候

季節はひと雨ごとに移り変わり、朝晩はすっかり秋冬の空気感になりました。
薄手でも掛け布団を用意しておかないと、日によっては寒いと感じる程です。

9月は和名で「長月・ながつき」とも呼ばれますが、これは秋に入って夜が長く感じられるようになることで付いた名称だそうです。
そう言えばいつの間にか、18時の梵鐘を撞く時間帯には既に暗くなっているなと思っていました。
夏が過ぎてだんだんと日照時間が短くなり、秋のお彼岸のお中日を迎えますと、鐘撞きは17時に変更されます。ちなみに春はその逆で18時への切り替えをいたします。
閑話休題、9月は長月以外の異名が他にもあるようで、例えば「紅葉月・もみじづき」や「小田刈月・おだかりづき」などという言われ方もするそうです。
どれも日本古来の風土をよく表した、趣深い言葉遊びだなと感心いたします。

今月1日に気象庁は、先の6月下旬に発表していた梅雨明け宣言を撤回しましたね。過去にも同じような事例はあったようですが、宣言以降にずるずると続いた天候不良を考慮した変更だそうです。
これからは秋雨前線に伴って台風発生数も増えます。年によっては11月頃まで被害に遭うこともありますから、しばらくは気が抜けませんね。

予期せぬ雨風に振り回されぬよう、心の天候こそ穏やかならんことを。合掌。

8月盆を終えて

いやはや毎日お暑うございます。
猛暑と豪雨が入れ替わり立ち替わりの日々、いかがお過ごしでしょうか。

当山の建つところは7月盆の地域ですが、一部のお檀家様に於いてはこの時期にお盆を迎え、お参りをいただいております。
浜松は7月だけでなく、場所によって月遅れ8月の盆を迎える町村も混ざっておりますから、少し調べてみると通りや区画で非常に細かく分かれており、複雑なのです。

8月14日には、隣町の中野町にて花火大会が開催されました。
正確に言えば同町の氏神様の夏祭り三箇日の中日で行われる行事だそうですが、打ち上げ花火は鎮魂のためにと始まり発展したもので、お盆行事でもあるわけですから、いろいろな意味を内包した祭典ということになります。
そして今回はコロナ禍の影響で「3年ぶりの打ち上げ花火」ということも手伝って、久々の盛況ぶりが、当山正面を通る県道に並ぶ車列と、その脇を行き来する観客の多さに表れていました。
ちなみに終戦記念日でもある翌8月15日、今年はなぜか黙祷を号令するサイレンが聞こえなかったような気がします。
いわゆる「騒音の問題」でもあったのでしょうか、不思議です。
天皇皇后両陛下による戦災慰霊式典の録画がネットに上がっていたので、事後的に拝見し、弔意を捧げました。

子供達の夏休みもあとわずかですね。
月の後半にさしかかり、境内には幾つもの蝉が腹を向けて転がっており、いつしか蜻蛉のほうが多く舞っているような気がします。
ご家族やお友達と、思い出はたくさんできたでしょうか。