春彼岸が終わり、いよいよ次の季節へ本格的に入ってまいりました。
時の経過をつぶさに現すそれは、いつもの顔をいつも通り見せているようで、実は過去何処にもなかった今だけの存在であると、殊更に感じさせられます。
ひと雨過ぎれば新しい風が吹くように、たぶん私達も、常に新しい自分がそこに生まれ出でているのでしょう。
さぁ、開花はもうすぐです。

上巳の節句

昨日ひとしきり吹いた風は関東地方に於いての春一番となったようですが、肌寒さだけを残して明けた本日3月3日は雛祭りでございます。
当山もひな飾り(的なもの)が僅かにあるので、細々と飾っております。

数日前には遠州三山のひとつ「可睡斎」におじゃましてきました。
今や全国的にも有名なイベントになりましたが、無数のひな飾りが可睡斎中の伽藍や客殿に所狭しと並ぶ姿は、噂通りの圧巻です。

https://www.kasuisai.or.jp/wp/p27
https://www.instagram.com/p/CpP7m5Sv-_z/?hl=ja

見せ方や演出の仕方、拝観順路の組み方など、今後の参考になればと思ったたのですが、華やかな段飾りは見事であると同時に、勉強になった一日でした。
雛祭りはもちろん「お寺の行事」そのものではありませんが、口実はどうあれご参詣いただける機会は多いほうが良いのは事実です。老若男女途切れることなく参詣者で大変に賑やかな山内は、まさに活気づいていました。

当山は可睡斎のような観光寺ではありませんが、何かできることはないかと常に思案を重ねているところです。
他所のお寺様の行事に感化されて湧き上がるアイデアもあるのでは、そんな事を思いながら、山門興隆を志し行じてまいります。合掌。